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  小池氏の選挙戦を支えた自民党の若狭勝衆院議員(59)=比例東京=がスポーツ報知に17日間の選挙戦の舞台裏を激白した。自民党東京都連の方針に反し、除名覚悟で臨む中、日を追うごとに増える聴衆に手応えを感じ、「刺激的な選挙だった」と振り返った。

 「初の女性都知事誕生」こそが私の願いだった。世界的にも続々と女性のリーダーが誕生している。自民党はすべての女性が輝く社会をつくっていく方針を掲げた。5年後、10年後の東京、そして日本を考えたとき、女性が都知事になるということは非常に意義がある。

 「女性が輝くことで男性も輝く」というのが私の持論だ。街頭演説でも「小池さんを応援することで私も輝く」と言った。子育てしたり、働きやすい環境が整えば、男性にとってもプラスになると確信して17日間、ほぼマイクを握った。小池さんとは、私の選挙を応援してもらってから親交があった。国際性が豊かだし、外国語もできる。クールビズを広めたり、アイデアも豊富だ。「政治とカネ」に揺れた都政だが、新しい風を吹き込んでくれるはずだ。

 私が所属する東京都連では別の候補者を推薦すると決め「分裂選挙」ともいわれた。だが、少なくとも私はその候補者を推薦することに賛成した覚えはない。会議で「私が小池さんが良いのではないか」と発言したら、つるし上げにもあった。裁判の判決でも少数意見は付記されるものだが、都連は「全員一致で決定」と発表した。少数意見を取り入れず、私も別の候補者に賛成したような話になっていた。これは隠蔽ではないか。

 少数意見を抹殺したり、上層部に意見が言えない組織は腐っていく。時代錯誤そのものだろう。それが「ブラックボックス」といわれる出来事の一つだった。

 小池さんには、さまざまな利権を解明する仕事が待つ。それが都民から期待された大きな仕事だろう。待機児童問題、築地市場の移転問題、東京五輪の再開発、行財政改革など課題も山積みだ。私自身の今後は、分からないが、小池さんの地盤を継ぐのか、副知事としてサポートするのかを含め考えたい。どんな立場でも公正、透明性、説明責任、情報公開を貫き、テロ対策にも尽力したい。

 日々増える聴衆を前に、刺激的な選挙だった。今後の東京都のビジョンとしては「明」を上げたい。「明」るい東京をつくり、そして情報や組織を透「明」化して、利権を解「明」する―。この覚悟で進んでいきたい。(談)