タレントで大学生の冨田真由さん(20)が21日、東京都小金井市のライブ会場前で刺された事件で、警視庁の警察官が東京消防庁の救急隊より後に、現場へ到着していたことが、警視庁への取材でわかった。
同庁は事件直前に冨田さんから110番を受けた際、指令の手順ミスで事件現場ではない冨田さんの自宅に警察官を出動させたため、到着が遅れていた。
同庁幹部によると、冨田さんはライブ会場付近で21日午後5時5分、自ら110番した。同庁通信指令本部の担当者は「助けて」という声と「キャー」という悲鳴を複数回聞いたほか、男が騒いでいるような声も耳にしたという。
岩埼友宏容疑者(27)(殺人未遂容疑などで送検)につきまとわれていた冨田さんの携帯電話番号は同庁の緊急通報システムに登録されており、通信指令本部のモニターには冨田さんの名前や住所などが表示された。しかし、担当者は携帯電話の位置情報などで冨田さんの現在地を確認せず、武蔵野市内の冨田さん宅に警察官を出動させていた。